Nikon FGのシャッタースピードが1/90秒から変わらない原因と、自分でできた応急処置

トップカバーを外したNikon FG。基板や配線、シャッタースピードダイヤルまわりの部品が見えている カメラ

どうもSOMAです。

Nikon FG(ニコンFG)を使っていて、シャッタースピードが1/90秒から変わらなくなることがありました。ファインダーの中では、1/60秒と1/125秒のLEDが点滅したまま。ちゃんと動く時もあれば、急にこの状態になる時もある、という不安定な症状です。

調べていくうちに、どこかの接触不良が原因なんじゃないかと考えるようになりました。そこで仕組みを調べて、最後は自分で応急処置を試してみました。

この記事で分かること
・Nikon FGが1/90秒固定になり、LEDが点滅する症状の正体
・故障を疑う前に確認したい3つのこと
・僕が実際にやった応急処置(トップカバーを開けて、接点をハンダでつなぐ)と、その結果
・自分で直すか、修理店に出すか、の考え方

同じ症状で困っている人の参考になればうれしいです。ただ、僕がやったのは素人の応急処置です。その点は、最後まで読んだうえで判断してください。

Nikon FGってどんなカメラ?

Nikon FGは、1982年に発売されたニコンのフィルム一眼レフです。(参考:ニコン公式 製品の歴史(1980年代))小さくて軽いボディに、プログラムオート、絞り優先オート、マニュアルの撮影モードを持っています。(参考:Nikon FG SPECIFICATIONS(ニコン公式ではない資料ページ))

ポイントは、シャッターが電子制御だということです。F2のような完全機械式のカメラとは違って、多くのシャッタースピードは、電池と電子回路で動いています。だからこそ、今回のような電気まわりの不具合が起きることがあります。

Nikon FGに出ていた症状(1/90秒固定・LED点滅)

  • シャッタースピードが、正常に動く時と、1/90秒で固定される時があった
  • 固定されている時は、ファインダーの中の1/60秒と1/125秒のLEDが点滅していた
  • フィルムを何枚か撮ったあとでも、この症状が出ることがあった
  • いつも出るわけではなく、動作が安定しなかった

この状態だと、明るい場所でも暗い場所でも、1/90秒でシャッターが切れてしまいます。露出が合わなくなるので、撮った写真が明るすぎたり、暗すぎたりする原因になります。

Nikon FGが1/90秒固定になる仕組み

調べてみると、FGには、フィルムを入れてカウンターが「1」になるまでの間、シャッターが1/90秒で切れて、1/60秒と1/125秒のLEDが点滅する、という動きがあるようです。フィルムを入れたあとの空シャッターの間に、余計な長時間露光にならないようにするための仕組み、という説明を見かけました。

英語の掲示板でも、同じように「1/125と1/60のLEDが点滅したままになる」という相談があって、カウンターが「S」から「1」に進むまではそういう動きになる、という話が出ていました。(参考:Talk Photography「Nikon FG – weird setting」(英語))

つまり、カウンターが1になる前にこの状態になるのは、故障ではなく正常な動きです。問題なのは、カウンターが1を過ぎても、同じ状態になってしまうこと。僕のFGで起きていたのは、こっちでした。

なお、この「カウンターが1になるまでは1/90秒」という仕組みは、ニコン公式の資料では確認できていません。日本語の解説や英語の掲示板で見た情報として、受け取ってください。

症状から考えられる原因

同じ「1/90秒で切れる」でも、原因はいくつか考えられます。僕が調べた範囲で、整理するとこんな感じです。

状況考えられること
カウンターが「1」になる前正常な動き。フィルムを巻き上げてカウンターを1まで進めれば戻る
ダイヤルが「M90」の位置電池なしで使える機械式の1/90秒。ダイヤルを戻せば戻る
電池が弱っている・切れている電池を交換して様子を見る
カウンターが1を過ぎても起きるどこかで仕組みが誤って働いている可能性。僕のFGはこれだった

故障を疑う前に、確認したい3つのこと

同じ症状が出た時は、カメラを開ける前に、まず次のことを確かめてください。

1. フィルムカウンターが「1」を過ぎているか

フィルムを入れたばかりの空シャッターの間なら、1/90秒になるのは正常です。カウンターを見て、1を過ぎているか確かめます。

2. 電池が弱っていないか

FGは、ボタン電池で動きます。資料では、3Vのリチウム電池1個、または1.5V前後の酸化銀電池かアルカリ電池2個とされています。(参考:Nikon FG SPECIFICATIONS(ニコン公式ではない資料ページ))僕はLR44を使っています。まずは、新しい電池に替えて試してみましょう。

3. シャッタースピードのダイヤルが「M90」になっていないか

FGには、電池が切れた時でもシャッターを切れるように、機械式の「M90」(1/90秒)という設定があります。(参考:Nikon FG SPECIFICATIONS(ニコン公式ではない資料ページ))ダイヤルがここに入っていると、当然1/90秒で切れます。うっかり入っていないか、念のため確認しておきましょう。

この3つを確かめても、まだ症状が出る。僕の場合は、ここからが本題でした。

接触不良を疑って、自分で応急処置してみた

まず、日本語の解説で、FGの「カウンターが1になるまでは1/90秒」という仕組みを知りました。それで、この仕組みが、本来なら働かないはずのタイミングで働いてしまっているんだと気づきました。

そこからさらに英語で調べていくと、ある1か所の接点をわざとくっつけると、この仕組みが働かなくなる、という情報を見つけました。

作業は、トップカバー(上のカバー)を開けて行いました。くっつけたのは、写真の右側、シャッタースピードのダイヤルまわりの、右下あたりの接点です。

トップカバーを外したNikon FG。基板や配線、シャッタースピードダイヤルまわりの部品が見えている
トップカバーを開けたところ。右側の、シャッタースピードダイヤルまわりの右下あたりの接点をハンダでつなぎました

使ったのは、Amazonで買った2,000円くらいの安いハンダゴテです。作業自体は、本当に一瞬で終わりました。接点をハンダでつないで、接触不良が起きないようにした、という応急処置です。

応急処置したあとの動作と、撮った結果

処置したあとは、1/60秒と1/125秒のLEDが点滅する症状が出なくなりました。シャッタースピードも、ちゃんと変わるようになりました。

実際にフィルムを入れて撮ってみたところ、問題なく撮影できました。ただ、フィルムの一部に感光(光が入って白っぽくなる)が出ていました。これは、光漏れを防ぐモルトが劣化していたのが原因だと考えています。シャッタースピードの不具合とは別の問題です。古いフィルムカメラは、こういう不具合が重なることもあるので、モルトの状態も一緒に見ておくといいと思います。

この応急処置について、気をつけてほしいこと

  • 今回やったのは、素人による応急処置です。メーカーが勧める修理方法ではありません
  • ハンダ付けでカメラを壊したり、別の不具合を起こしたりする可能性があります
  • 同じ症状でも、原因が違うことがあります。同じ方法で必ず直るとは限りません
  • 接点をつなぐと、本来の「カウンターが1になるまでは1/90秒」という仕組みも働かなくなります
  • 安心して確実に使いたいなら、修理店に相談するのがおすすめです

それと、ハンダゴテについて。今回は一度きりの作業だったので、安いもので済ませました。でも、使っていて少し怖さもありました。これからも使うつもりなら、ちゃんとしたものを買ったほうがいいと思います。

Nikon FGを使い続けるための選択肢(自分で直す・修理に出す・買い替える)

同じ症状で困っている人には、こんな選択肢があると思います。

  • 自分で応急処置してみる:お金はほとんどかからない。でも、リスクは自分持ち
  • 修理店に相談する:費用はかかるけど、確実に直したいならこれ
  • 別のフィルムカメラを選ぶ:故障の心配を減らしたいなら、完全機械式のカメラという手もある

FGは電子制御のカメラなので、M90以外のシャッタースピードは、電池と電子回路に頼っています。この症状が出ると、1/90秒でしか撮れなくなってしまいます。電気まわりの故障を避けたいなら、電池がなくても全速で動く完全機械式のカメラを選ぶのも1つの考え方です。僕が使っているNikon F2は、その例です。

それでも、これくらいの作業なら、やってみてもいいかなと僕は思いました。FGは小さくて、かわいいカメラです。お金をかけずにこのカメラを使い続けたいなら、自分で手を入れてみるのもありだと思います。

よくある質問

カウンターが「S」の時に1/90秒になるのは故障?

故障ではありません。フィルムを入れたばかりで、カウンターが1になるまでの間は、1/90秒で切れてLEDが点滅する動きになるようです。巻き上げてカウンターを1まで進めてみてください。

電池がなくてもNikon FGは使える?

シャッタースピードを「M90」にすれば、電池がなくても1/90秒でシャッターを切れます。(参考:Nikon FG SPECIFICATIONS(ニコン公式ではない資料ページ))ただし、露出計は動かないので、明るさは自分で判断する必要があります。

自分で直すのは難しい?

僕の場合、作業そのものは一瞬でした。ただ、トップカバーを開けるところから、どこの接点かを見つけるまでのほうが大変です。壊すリスクもあるので、自信がなければ修理店に相談するのが確実です。

まとめ

Nikon FGで、シャッタースピードが1/90秒から変わらず、1/60秒と1/125秒のLEDが点滅し続ける。カウンターが1になる前なら正常な動きですが、1を過ぎても起きるなら、どこかで仕組みが誤って働いているのかもしれません。

まずは、カウンター、電池、ダイヤルの3つを確認。それでも直らなければ、修理に出すか、自分で手を入れるか。僕の場合は、接点を1か所ハンダでつなぐ応急処置で、普通に使えるようになりました。ただ、あくまで素人の応急処置です。試すなら、壊れても後悔しないつもりで、自己責任でお願いします。

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